【レビュー】実機のエモさも体感できるエミュレータ。Epilogue「GB Operator」を買ってみた【GB/GBC/GBA対応】

最近では、ニンテンドースイッチの「バーチャルコンソール」など懐かしのゲームを最新のゲーム機でプレイできるサービスの普及により、過去の名作ゲームが手軽にプレイできるようになった。

しかし、自分が本当にやりたいゲームに限って配信されていないことも。世間一般で名作と呼ばれているようなゲームの中にも、権利関係など大人の事情で配信できないゲームが多く存在するのも事実だ。

この場合、実際にプレイするには実機とソフトを改めて購入する必要がある。しかし、発売から数十年も経っているため、中古での購入が前提となるため、状態の悪いものも多く在庫数も限られているため、プレイするまでのハードルは高い。

今回紹介するEpilogueの「GB Operator」は、それらハードの代替となる「互換機」と呼ばれる製品。

ソフトを挿すポートが搭載されるだけのシンプルなデバイス。PCやMacに接続することで「ゲームボーイ」「ゲームボーイカラー」「ゲームボーイアドバンス」のソフトをプレイすることができる。

Epilogue GB Operatorの特徴

  • 「ゲームボーイ」「ゲームボーイカラー」「ゲームボーイアドバンス」に対応
  • $49.99(約5,500円)と中古の実機並みの低価格
  • 往年の任天堂を思わせるクリアデザイン
  • 動作には専用のエミュレータ「Operator」が必要
  • 動作には実際のソフトが必要という面倒くささが最高
  • 実機動作で安心してゲーム配信に利用可能

「ゲームボーイ」「ゲームボーイカラー」「ゲームボーイアドバンス」に対応

Epilogue「GB Operator」は、任天堂ハードの中でも特に名作の多いゲームボーイシリーズの互換機。専用エミュレーターである「Operator」を通してプレイすることができる。

あくまで「互換機」なので、ソフトによっては相性問題が発生する可能性もあるが、公式サイトを見る限り非対応ソフトについて特に言及されていないため、ほぼ全てのGB/GBC/GBAソフトが動作するとみていいだろう。

また、一部の愛好家がいることで有名な「ポケットカメラ」の動作にも対応。撮影したデータの吸い出しにも対応しているため、ポケットカメラ愛好家の方にとって最高のハードと言える。

$49.99(約5,500円)と中古の実機並みの低価格

Epilogue「GB Operator」は約5,500円と安価な価格設定となっている。下手に中古で状態の良いゲームボーイアドバンスを探すより、購入のリスクも少なくて済む。

また最近ではニンテンドースイッチでGBAソフトが配信されておらず、「ゲームボーイミクロ」などが中古市場で価格高騰している現状もあるため、GBA購入のハードルが年々増加傾向にある。

そのような背景もあって、「GB Operator」は非常に希少なガジェットと言える。初回出荷分が速攻で完売したことからも、その注目度の高さが伺えるだろう。

いつまで販売されるかは定かでないが、この時代に実機ソフトが動作するガジェットがこの価格で発売されたことに感謝しつつ、今後も販売を継続し続けてもらいたい(ついでに言うと、日本から気軽に購入できるようになると尚嬉しい)。

往年の任天堂を思わせるクリアデザイン

Epilogue「GB Operator」は往年の任天堂デザインへの強いリスペクトを感じるデザインの作り込み具合も魅力。

全面にクリアデザインを採用し、基盤が透けて見えることから、GBC〜GBA時代のデザイントレンドを明らかに意識していることが窺える。スタイリッシュながらどこか懐かしいデザインは、見ているだけで楽しめる。

欲を言うとニンテンドーパープルなどのカラー展開も欲しいところ。今後の展開に期待したい。

余談だが、優れたスイッチの周辺機器を生み出し続けている「Genki」などの気鋭のメーカーも、こぞってクリアデザインを採用していて、開発メンバーは間違いなく同年代の任天堂っ子だろうなと思っている。

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動作には専用のエミュレータ「Operator」が必要

Epilogue「GB Operator」は単体では動作せず、動作にはエミュレータ「Operator」を動かすためのマシンが必要。対応OSは「Windows」「macOS」「Linux」とメインストリームのOSには一通り対応しており、動作環境面のハードルは低い。

エミュレータ自体はまだベータ版であり、ソフトの動作には対応しているものの、ゲームボーイソフトを開発するための機能はまだ未実装である点に注意。


最近ではPanicの「playdate」など、グラフィックや容量に制約のあるレトロゲームの需要が高まっている。「Operator」も、そういったレトロゲー愛好家にとって、魅力的なソフトを生み出す環境に育つことに期待したい。

また、年々誇大化し複雑になっている最新のゲームや、時間や気力を浪費するソーシャルゲームへのアンチテーゼとして、レトロゲームが注目されているという背景もある。

ゲーム全盛のこの時代に、ゲームボーイの新作ゲームが発売される未来に期待したい。

動作には実際のソフトが必要という面倒くささが最高

一般的なエミュレータの場合、ROMデータさえあれば遊べるという手軽さが魅力。しかし「GB Operator」はあくまで互換機であり、プレイには実際のソフトが必要となる。

ダウンロードゲームが当たり前の現代において、正直面倒くさいことこの上ない。しかしそんな面倒くささも、物理ハードの魅力には敵わない。

エミュレータは(ROMデータを吸い出す手間があるとはいえ)手軽である一方、どこか味気ないというのも本音。紙の本と同じで、電子書籍がどれだけ便利になっても、本は紙じゃないとイヤ、と考える人がいるのと同じだ。

利便性こそ劣るが、ゲームをプレイするまでのひと手間、ソフトを刺す時の手の感触、目の前で動作していると言う安心感は、何者にも変えがたい最大の魅力。

やりたいと思いつつ一度も通ってこなかった「Mother1+2」の存在を思い出し、中古で購入。カセットの調子が悪く認識しなかったのだが、無意識でカセットの裏をふーふーしている自分に驚いた。

懐かしのパッケージ

ゲーマーの本能というべきか、長年で培った所作が自然に出たとき「自分はまだゲーマーなのだ」思い出し、思わず笑ってしまった。この体験は普通のエミュレータでは味わえないだろう。

実機動作で安心してゲーム配信に利用可能

エミュレータの利点として、実機ではなかなか難しい「画面キャプチャが容易中間セーブ機能が利用可能」な点が挙げられる。実際のソフトで動作していることも見せやすいため、ゲーム配信者にもオススメだ。

メインで配信しているゲームの合間にレトロゲームを挟む、なんてのも粋な使い方ではないだろうか。先ほど紹介した「ポケットカメラ」をちょっと変わったWebカメラのように使うのも面白いかもしれない。

いきなり会社の打ち合わせなんかで使用するのも面白そうだが、そんな度胸はないので、まずはどこかのDiscordで試してみようと思う。


当時やり尽くしたゲームに再挑戦したり、母に買ってもらった思い出のソフトを実家から掘り返してみたり、当時は高くて買えなかった、やり残したゲームを初めてプレイしてみるのも良い楽しみ方かもしれない。

Epilogue「GB Operator」はEpilogue公式サイト(海外)から購入可能。価格は「$49.99」(送料別)で、国内への発送にも対応している。