デスク上から不要なモノをなくしたい。極限までスッキリさせたい。でもスピーカーは外せない。
そんな悩みを抱えた方に最適なスピーカースタンド「100-VESA008」が、サンワダイレクトから突如発売された。
「100-VESA008」の導入により、かねてより理想だった「スピーカーの置き場所確保」と「スッキリしたデスク」を実現。さらに「スピーカーのポジションを整える」こともできた。
2023年1月現在、人気のあまり入荷も不安定となっている本製品だが、気になっている方向けに、使用感や導入するメリット・デメリットについてレビューする。
サンワダイレクト「100-VESA008」について
今回紹介するサンワダイレクト「100-VESA008」は、「モニター裏に取り付けて設置する」という斬新な方法でスピーカーを設置する新発想のスタンド。
従来式のスピーカースタンドといえば「自立式(床に立てる)」「クランプ式(デスクの天板に挟んで設置する)」「直置き(デスク上に置く)」の3種類だが、サンワダイレクト「100-VESA008」は第4の選択肢である「VESA固定式(モニターアームやスタンド裏に取り付ける)」。唯一無二のスタンドとなっている。
スペック
サンワダイレクト「100-VESA008」 | |
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価格 | 5,980円 |
耐荷重 | 4kg ※モニタアーム側の耐荷重に注意 |
規格 | VESA100 / VESA75 ※設置には規格に対応したモニターアーム/モニタースタンドが必要 |
幅調整 | 50〜79cm |
高さ調整 | 4段階(各1.5cm刻み) |
奥行調整 | 5段階(各2cm刻み) |
テスト環境
カテゴリ | 製品名 |
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モニター | MSI Optix MAG274QRF-QD |
モニターアーム | エルゴトロン LX モニターアーム |
スピーカー | EVE Audio SC203 |
ボクが使用しているモニターは、スタンドを固定する箇所が凹んでいる特殊な形状をしていたため、そのまま取り付けることはできなかった。このような場合、下記のようなスペーサーを間に挟むことで設置することができる。
サンワダイレクト「100-VESA008」のメリット・デメリット
- デスク上を占領せずスピーカーが使用できる
- 一般的なスピーカースタンドと比べて手頃な価格
- 質感も良く、剛性とデザイン性を両立したデザイン
- 調整機能が揃っており環境を選ばない
- モニターアームの柔軟性が犠牲になる
- 一般的なスタンドに比べ耐荷重性能が低め
デスク上を占領せずスピーカーが使用できる
最近ではサブスクで音楽を聴いたり、映画を観る機会が多くなってきた。最大限楽しむためにスピーカーを設置したいところだが、スペース不足などで、設置を諦める人も多いと思う。
実際、デスク上にスピーカーを置きっ放しにするとかなりのスペースを占有する。使うたび片付けるのも面倒だし、正しい音で聴くにはポジションもかなり重要なので、迂闊に動かしにくい。
「100-VESA008」はモニターアームを利用してスピーカーを浮かせることができるスタンドなので、デスク上をスピーカーに占有されることがなくなる。デスク上にモノが多いゲーマーやDTMerにピッタリ。
掃除もかなり楽になるし、モニターアームのケーブルマネジメントも活用できるので、配線も隠しやすく、スッキリしたデスクを構築したい人にもおすすめ。
一般的なスピーカースタンドと比べて手頃な価格
「100-VESA008」は従来のスピーカースタンドよりかなり安価である点も魅力。
自立式やクランプ式で本格的なスピーカースタンドを買うとなると、「10,000円程度」の予算が必要になる。設置にモニターアームが必須であるとはいえ、「5,980円」という低価格で購入できるのは嬉しい。
後述するが、品質も高く価格以上に所有欲が満たしてくれる逸品だ。
質感も良く、剛性とデザイン性を両立したデザイン
「100-VESA008」の本体は金属製。安価だが、塗装ムラもなく質感高く仕上がっている。見た目はもちろん、ネジ穴の精度など、安価な製品にありがちなガタつきも見られず、丁寧に作られていることがわかる。
ネットのレビューでは「ネジ穴の精度が低くガタつく」と書かれているレビューもあったので、多少の誤差はあるのかもしれない。ただ、自分の個体に関しては工作精度も高く、ガタつきは感じられなかった。
スピーカーを乗せる台の部分は薄く華奢に見えるが見た目以上に堅牢。大型のスピーカーは設置できないものの、「SC203」のような小型なモニタースピーカーがギリギリ乗せられる性能だ。
調整機能が揃っており環境を選ばない
「100-VESA008」にはスピーカースタンドに求められる「高さ調整」「幅調整」「奥行調整」という各種調整機構もしっかり搭載。
高さ調整
高さ調整は「4段階」、それぞれ「1.5cm刻み」で調整可能。ネジを止める位置で調整できるシンプルな構造。
ディスプレイを目線の高さに設置することで、自然とリスニングポジションが整う。
幅調整
横幅は最低で「50cm」、最大で「79cm」の間で調整可能。最大まで伸ばすと「37インチ」モニターまで対応する。
調整はスピーカー台を保持するアームの固定ネジの位置で調整する。
ボクは「27インチ」のモニターであるため幅には余裕があるが、スピーカーが重く、スタンド部分が若干たわんでいる。
重量級スピーカーと大型モニターを組み合わせて使う場合、耐荷重以下でもたわんだり破損する可能性もあるので注意。
奥行調整
奥行は「5段階」、それぞれ「2cm刻み」で調整可能。 基本はモニターとスピーカー面をツライチで揃えるのがキレイだが、前めに固定することで背面が狭い環境でも設置できたりと、調整の幅はかなり広い。
モニターアームの柔軟性が犠牲になる
モニターアームと「100-VESA008」を組み合わせて利用する場合のデメリットについても触れておきたい。
モニターアームの利点はモニターの位置や角度を自由に調整できる点にあるが、「100-VESA008」を使用すると、モニターの動きに追従してスピーカーも動くようになる。
ディスプレイの角度調整や左右への移動、前後の角度調整といった調整機能がほとんど使用できなくなり、モニターの位置・角度のフレキシブルな調整が不可能になるので、ディスプレイの位置を調整したいユーザーには不向きだ。
あくまで、モニターの角度や位置を固定して使用しているユーザー向けのスタンドである点には注意が必要だ。
一般的なスタンドに比べ耐荷重性能が低め
「100-VESA008」の耐荷重は「4kg」まで。一般的なスピーカーなら難なく乗せられる性能だが、プロ向けの大型スピーカーの設置はかなり重いため、基本は乗せられないだろう。
また、これはあくまでスピーカースタンド側の耐荷重。モニターアームやモニタースタンドに固定して使用するので、モニターアーム側の耐荷重にも留意する必要がある。
つまり実際の耐荷重は、使用する「モニター」「スピーカー」「本製品※重量は1.02kg」の重量の合計が、モニターアームの耐荷重に収まっている必要がある。
安価なモニターアームやシングルモニタ用アームの場合、スペック不足で支えきれない可能性もある。購入前に必ずスペックを確認しよう。
まとめ
- デスク上を占領せずスピーカーが使用できる
- 一般的なスピーカースタンドと比べて手頃な価格
- 質感も良く、剛性とデザイン性を両立したデザイン
- 調整機能が揃っており環境を選ばない
- モニターアームの柔軟性が犠牲になる
- 一般的なスタンドに比べ耐荷重性能が低め