「ゲーミングPC」ユーザーであるボクが、わざわざ「PS5」を購入する理由。

(この記事はあくまで素人の考察です。軽い気持ちで聞き流してください)


ゲームPC界隈に冬が来た。「ゲームPC氷河期」の到来だ。

ボクがそう考えるにはいくつかの理由があり、下記のような変化が起こった、または、今後起こりえると感じているからだ。

  1. クロスプラットフォーム・クロスプレイが基本に。大作ゲームが環境を問わずプレイ可能になった
  2. ダウンロード販売が急速に普及。据え置きゲーム機でも「ディスクレス」が主力に?
  3. 「PS5」というモンスター級のコスパを誇るゲーム機の登場

クロスプラットフォーム・クロスプレイが基本に。大作ゲームが環境を問わずプレイ可能になった

クロスプラットフォームは数年前から一般化してきており、もはやおなじみといったところ。

しかし近年、異なるゲーム機間で協力または対戦できる「クロスプレイ」に対応するゲームも増加傾向にある。

やりたいゲームのために、購入するハードが制限されることは少なくなっており、ユーザーにとっては嬉しい変化だ。

PCで人気になったゲームは、後追いで据え置きゲーム機で配信されるのが定番の流れになりつつあり、PCにこだわる必要は年々薄れているように感じる。


余談だが、先日、マイクロソフトが「Fallout」「The Elder Scrolls」など、大作ゲームを多く排出する「Bethesda Softworks」の親企業である「ZeniMax」の買収を発表するなど、怪しい動きも見えてきた。

コンシューマ間でのシェア争い・差別化を目的とした買収が今後加速するかもしれない。

ダウンロード販売が急速に普及。据え置きゲーム機でも「ディスクレス」が主力に?

数年前にPC市場で発生した、「Steam」の登場による、ゲームのダウンロード販売のシェア拡大と同様の事象が、コンシューマ市場でも発生している。

また、「インディーゲーム」の台頭など、個人開発者や中小規模のデベロッパーの登場により、従来のパッケージ販売では入手できないゲームも増加し、パッケージ販売にこだわらないユーザーも増えた。

「PS5」というモンスター級のコスパを誇るゲーム機の登場

「ハイエンドなゲームをプレイしたきゃ、PC組め!」

PS5」は、そんな時代に終止符を打つべく登場したのでは?と感じられるほど、暴力的な性能と低価格が魅力的なゲーム機だ。


「ゲームPCあるなら、PS5いらなくない?」

「いや、そんな事ないよ。PS5くらい持っておかないと。」

そんな時代がすぐそこまで来ている。

ゲーム機新時代の到来。ゲーム市場の変化を汲み取った初めての「プレイステーション」

SONYは、5世代目にして初めて、従来のディスクドライブを廃止した(PSP Go?知らない子ですね)。

Play Station 5 Digital Edition」の登場である。

従来通り、ディスクドライブを搭載した通常版「PS5」も存在する。

しかし、「PS5 DE」の定価は1万円も安く設定されているため、SONYは「PS5 DEこそ主役」だと考えているのだろう。

これはつまり、店頭販売によるパッケージ販売が中心の「従来の販売形式」から、ネットワーク接続必須、自社ストア経由で購入する「新しい販売形式」へのシフトを意味する。


「PSP」から「PS4」まで、DL販売やオンラインの有料化など、「新しいプレイステーション」の在り方を常に模索・挑戦してきたSONY。

常に挑戦を続けてきたSONYだからこそ、「PS5の発売」という大きな節目に、万全を期した状態で挑むことができたのだろう。


ちなみに、「ダウンロード販売が中心になる」という事象は、数年前のPCゲーム市場でも発生している。

Steam」「Epic Store」等、ゲームのダウンロード販売や、ユーザー同士の交流を支える、統合プラットフォームの登場である。

Steam」の登場は、「インディーゲーム市場の拡大」「PCとゲームの関係をより身近にする」など、ゲーム業界全般に多様な影響を与え、PCゲーム市場は大きな成長を遂げた。

PCの「ハードウェア的進化」と、ユーザーとの「温度差」

PC市場、特にPCゲーム市場では、常に新しい技術や製品が登場するなど、日進月歩の進化を続けている。

先日、NVIDIAから最新GPU「RTX 3000 シリーズ」が発売された。

実質最上位モデルである「GEFORCE RTX 3080」は、定価10万円~(!)という、目玉が飛び出る価格。

8Kゲーミング」を視野に入れたスペックを有し、常に最高を求めるヘビーユーザーには魅力的な製品となっているが、ほとんどのゲーマーにとってはオーバースペックといえるシロモノだ。

「インディーゲーム」や「スマホゲーム」などの「カジュアルなゲーム」が台頭する昨今、大枚を叩いてでも「最高の環境でゲームがしたい!」という人は限られる。

グラフィック性能ではなく、ユーザー体験そのものを追求してきた「任天堂」が、ゲーム市場で広く受け入れられていることも、「ユーザーは性能をそこまで重要視していない」ことの証拠だろう。

「たったの4万円」とは思えないゲーム体験

「PS5」には、PC用パーツをカスタムした物が多く使用されており、ゲームPCに換算すると、「約20万円」レベルの性能だと言われている。

「4万円のPC」となると、エントリーからミドルクラスの価格帯となるため、ゲーミングPCはまず購入できないだろう。

「PC」と「PS5」とでは、アーキテクチャや設計思想は異なり、一概に比較はできないとはいえ、「PS5」のコストパフォーマンスは突出している事がわかる。

これだけ性能が向上しておきながら、2015年当時の「PS4」とほぼ変わらない、「39,800円」「49,800円」という価格設定は明らかに異なっている。

これは、「ハードウェアの売上から一定の利益を得る」という今までの「売り方」とは異なる、「ダウンロード販売を中心とした市場の変化」を汲み取った結果といえる。


「PS4」では、「PS4」を中心とした自社ネットワークを構築し、「PlayStation®Plus」による収益や、「PlayStation Store」での販売手数料による売上など、関連サービスから継続的な収入を得る仕組みを構築してきたSONY。

「PS5」でも「PS4」同様かそれ以上の収入を得ることができるため、「ご祝儀価格」ともいえる価格設定を実現することができたのだろう。

(逆に、パッケージ版の価格設定は、「PS4」より1,000円ほど増加している)

「PS5」の真のライバルは「PC」ではなく「スマホ」

スマホでほとんどの事ができている現代において、据え置きゲーム機が一家に一台の時代は終わりを迎えつつある。

「PS3」時代のようなメディアプレイヤーとしての役割も薄いため、ゲーム以外の用途はむしろ少なくなってきている。

PCはPCである以上、安定して残り続けるだろうが、据え置きゲーム機は非常に厳しい状況に置かれているのは間違いない。


少ない人数から搾取し続ける今のビジネスモデルでは先細りするばかり。

スマホ以上のゲーム体験ができる点」や「魅力的なソフトラインナップをいかに集めるか」といった点が、「PS5」の行く末を左右する、大きな課題となるだろう。

まとめ

長々と語ってしまったが要約すると、

「PS5は久々に興奮したから買うで!これは革命や!」

という一言に尽きる。みんなも買ってくれ(買えるかわからんけど)。


当面は「ゲーミングPC」と「PS5」の両者を使い続け、ハードの進化や市場の変化を注視しつつ、1ゲーマーとして思う存分楽しんでいきたい。