先日、「AEGISMAX」のシュラフから「Enlightened equipment」のキルト「Revelation」に買い替えた。
「Enlightened equipment」はUL界隈(特に海外)では有名なメーカーで、Instagramなどを見ると、著名なPCTハイカーなどがこぞって使用している。
今回、「Enlightened equipment」のキルトの中でも特に人気のある「Revelation」のカスタムモデルを個人輸入した。
本記事では「Revelation Custom」の魅力や国内モデルとの違い、使用感について、北岳で使用した際の経験を元にレビューしていく。
購入した「Revelation Custom」のスペック
スペック | |
---|---|
フィルパワー | 850FP |
適応温度 | -1°C |
長さ | レギュラー |
幅 | レギュラー |
オプション | Draft Collar |
生地(外側) | チャコール(10D) |
生地(内側) | ミッドナイトブルー(7D) |
価格(送料込・関税除) | $384.99 |
Enlightened equipment「Revelation」を選んだ理由
「Revelation」には標準モデルとカスタムモデルの2種類が存在する。
標準モデルで選択できるのは、フィルパワー、適応温度、サイズ、Draft Collarの有無、決められた生地の組み合わせのみ。
カスタムモデルでは、生地の組み合わせが自由に選べるようになり、選べる生地も増える。
7Dの軽い生地だったり、ピンクやパープルなどの他ではみないようなカラフルな生地も選べるので、より個性的で自由なカスタムを行うことができる。
国内モデルは海外モデルに比べ手軽に購入することができるが、「Draft Collar」や大型サイズの選択ができず、カラーも3種類の組み合わせからしか選ぶことができないので注意。
「Revelation」には適応温度別に6つのモデルが存在する。
適応温度 | 利用シーン(晴天時、国内の場合) |
---|---|
10ºC | 平地、夏の低山、小屋泊 |
5°C | 夏の低山 |
-1°C | 低山(3シーズン)、夏の高山 |
-6°C | 秋冬の低山 |
-12°C | 冬の低山 |
-17ºC | 冬場の高山 |
適応温度はあくまで基準であり、快適に利用できるかは個人差があるが、成人男性なら概ね上の表の基準で問題ないはず。
適応温度の選択肢が多く、利用シーンに合わせて選択できるのは嬉しいポイント。
ボクは冬山登山はせず、主に3シーズンのテント泊での利用がメイン。また、朝晩が冷え込むシーズンには小屋泊を積極的に利用するので、3シーズンで幅広く使える「-1°C」のモデルを選択した。
また、適応温度が低いほどキルト自体の重量が増える点にも注意が必要。場合によっては衣類を着込むことで適応温度をブーストすることも想定している。
海外製品なので、「カタログスペックは魅力的だけど実際はイマイチ・・・」ということもよくある話だが、このキルトは海外での利用実績が多い。
著名なハイカーも多く利用しているので、比較的安心して購入することができる。
国内でも「Moonlight Gear」が代理店を務めており、利用者も年々増加している印象。「利用者が多い=優れた製品である」と安直に判断するのも問題だが、ある程度の信頼性を担保しているのは間違いない。
実際、製品を触った際の心象はよく、噂に違わぬ品質の良さを感じた。ハンドメイド製ながら裁縫の精度もよく、ダウンの偏りも少ない。
湿気の多い日本の夏山で使用してもダウン潰れやムレ感もシュラフほど感じられず、快適に利用できた。
実際に使ってみた感想
今回購入したのは適応温度「-1°C」のモデルだが、個人的に一番使用頻度の高いモデルになる。
夏の南アルプスのテント泊で2泊利用したが、半袖+ハーフパンツの状態で快適に眠ることができた(キルトから出ると凍えるほど寒かったが)。
足元の冷えもあまり感じず、スリーピングマットも「山と道ULPad15+」のSサイズという保温性能の高いパッドと組み合わせることで、確実に体温を保持することができる。
春秋の朝晩が冷え込む時期は、ウールシャツなど厚めの行動着を重ね着すれば、キルト+スリーピングマットの組み合わせで十分対応可能。
シュラフは取り出してスリーピングマットの上に広げるだけで設営可能だが、キルトの場合若干の準備が必要。
本体に2つのベルトがあるので、これをスリーピングマットの下を通し固定する必要がある。
足元を完全に閉じるには、先端に設置されたコードを絞り、左右のボタンをはめ、ジップを閉じる必要がある。
一度設置してしまえば問題ないが、設営のたびに上の手順が必要になるので、シュラフより面倒臭いのは確か。
ただ、複雑な構造をしているメリットとして、温度調節が容易であることが挙げられる。夏場などの暑い時期にはジップを開いて掛け布団の様に使用したり、テント場での行動着代わりに使用することもできる。
本体は「543g」と軽く、一見すると本当に暖かいのか?と不安になるほど軽い。
「850FP」の高品質なダウンを使用し、キルトなので背面側のダウンが不要であるため、同性能のシェルフに比べ、かなり軽量化されている。
バックパックに入れてもほとんど重さも感じないので、とりあえずバックに詰めておいて良いと思うほど。
買い方に困ったら
- 色やサイズはそこまで拘らない
- 標準体型、痩せ型の人
- 少しでも早く欲しい
在庫さえあれば即納されるので、週末のハイキングに間に合わせたい急ぎの方や、円安の影響がまだ少ない国内モデルの方がお得に購入できるので安く購入したい方には国内モデルがおすすめだ。
- デザインで個性を出したい
- 太っている、またはかなり痩せ型の人
- 金銭的・時間的に余裕のある人
- 足回りを絶対に冷やしたくない人
カスタムモデルを購入するには個人輸入しか選択肢がな炒め敷居が高く感じがちだが、実際は非常に簡単に購入できる。
カラーも標準モデルに比べ選択肢が豊富にあるため、個性を出したい方や特殊なサイズが欲しい方は個人輸入をおすすめする。
また、今回オプションで追加した「Draft Collar」は、キルトの弱点である足元の冷えをかなり改善してくれる。
標準モデルには搭載されていない機能なので、欲しい方はぜひ個人輸入も検討してほしい。
まとめ
- UL初心者がいきなり購入しても十分使いこなせるほどシンプルなキルト
- テン場ではダウン、暑い時は掛け布団としても使える。ULプロダクトの魅力も豊富
- 入手性に難があるものの、何週間でも待つ価値がある
- 真冬以外なら使いまわせて汎用性も高い。一枚でさまざまなシーンで活躍できる