2017年の登場から大きなマイナーチェンジもなく、未だに売れ続けている「ニンテンドースイッチ」。
待望の新型は、液晶パネルがIPS液晶から有機EL(OLED)に変更された「ニンテンドースイッチ 有機ELモデル」。
期待されていた「ニンテンドースイッチ Pro」とは異なるが、液晶周りや本体機能の改善が施され、上位モデルに近い立ち位置の製品となっている。
発売初日に購入して以来、4年使い続けた初期型スイッチから買い替えたので、乗り換えて感じたことについて紹介する。
この記事でわかること
- 有機EL(OLED)モデルがおすすめなユーザー
- 旧型モデルから買い替えるメリットとは
- 今、スイッチを新規購入するなら
- 旧型モデルの不満点について
初期型スイッチから有機ELモデルに買い換えた感想
- 有機ELの採用でゲームの世界がより魅力的に
- 6.2→7インチに大型化。解像度そのままでも問題なし
- キックスタンドの安定感が向上。稼働範囲も大きくなった
- バッテリーの駆動時間が大幅に向上
新型スイッチの魅力といえばやはり有機ELの採用で格段に美しくなったディスプレイ。
その恩恵は想像以上で、従来のスイッチユーザーならば、間違いなくその進化を体感することができる。
有機ELパネルは、従来のIPSパネルより階調表現に優れており、色の再現度が高く鮮やかに見える。遅延や残像感も少なめで、同じゲームでも新鮮な気持ちでプレイできるほど、大きな変化を体感できる。
お気に入りのゲームである「ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド」をプレイすると、全体的に淡い色合いで表現された世界観と、有機EL特有の階調表現の豊かさの相性が良く感じられた。
「コキリの森」など、光と影のコントラスト比が顕著なシーンでは、有機ELの真価がより発揮される。
有機ELの採用と合わせて、画面サイズが「6.2」から「7」インチに大型化した点も見逃せない。
実際、6.2インチでも携帯ゲーム機としてみれば十分な画面サイズだが、7インチを手に取ると、想像以上に大きく感じられる。
有機ELの美しさと大画面化の相乗効果で、携帯ゲーム機とは思えない迫力の映像を楽しむことができる。
ディスプレイの解像度は「1280×720」と旧モデルと同じ。
現代の基準で考えると少々物足りない解像度だが、ドットの荒さが気になることはほとんどない。それどころか、有機ELの採用と大画面化によって、細かな文字など細部の視認性も上がり、外部出力が不要に感じられるほど。
また、画面が大型化したにも関わらず、本体サイズと重量は微増に留まっているのもポイント。実際ほとんど変化は感じられず、手持ちでの利用にも問題ない重量に収まっている。
画面が大型化した分ベゼルも細くなり、より現代的な見た目になった。
差額5,000円で高品質なディスプレイが購入できると思えば安いもの。
- 携帯モードでの利用がメインの場合
- これからスイッチデビューする場合
これらの条件に当てはまるユーザーなら、購入または買い替えのメリットが大きい。また、ディスプレイ以外の改善点についても紹介する。
従来のスイッチのキックスタンドといえば、あまりに不安定で、おまけレベルの代物だった。
有機ELモデルでは大幅にアップデートされ、背面の下半分が全て可動式のスタンドに変化。マイクロソフトのsurfaceのようにチルトを無段階チルトを搭載し、好きな角度で設定することができるようになった。
可動域も広め。寝かせた状態や直立状態でもかなり安定する。
これまでのスタンドはほぼ使ってこなかったが、有機ELモデルのスタンドはかなり便利で、使用率が大幅に増えた。
特に重宝するのがデスク上で使用するときで、モニターと縦に並べて使用することで、PCディスプレイからの視点移動も少なく、PCと並行利用することが容易になった。
また、新幹線や飛行機で利用する場合にも、テーブル上に安定して設置することができる。
ディスプレイ以外の変化で一番恩恵が大きいのが、バッテリー駆動時間の向上だ。
僕が使用していた初期型モデルは、稼働時間が「2時間半から6.5時間」だったのに対し、有機ELモデルでは「4時間半~9時間」と大幅に改善された(数年前に発売されたアップデート版通常モデルと同程度)。
バッテリーの改善はすぐに実感。「ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド」は処理が重く、かなりバッテリー消費の激しいゲームで、旧モデルでは連続で2時間半が限界。その没入感の高さも相まって、あっという間にバッテリー切れという感じ。
有機ELモデルでは4時間の連続プレイが可能になり、もはやバッテリーより先に自分の集中力が切れてしまうほどの長寿命に。
今回のゼルダの伝説のような大作RPGでは、つい長時間熱中してプレイしがち。出先やベッドなどで、携帯モードでの利用が多いユーザーなら、バッテリー持ちが改善され、映像もキレイな有機ELモデルの購入はかなりおすすめだ。
ニンテンドースイッチ本体(旧型→新型)のデータ移行の注意点
本体間のデータ移行は非常に簡単。公式サイトに分かりやすい説明が載っているので詳細は省くが、子供でも簡単にできるレベルのものだった。
ただ一部のゲームソフト(代表的なのは「あつまれどうぶつの森」など)では、公式の移行ツールだけではセーブデータの転送ができないので注意が必要。
スイッチユーザーの多くが所有するあつ森は、セーブデータのクラウドバックアップに非対応(セーブデータは本体に紐付けされ、本体側のローカルに保存される)。
旧型モデルからの買い替えの場合、データ移行前に旧型の本体を初期化したり、メルカリなどで売らないように注意したい。
新型ニンテンドースイッチの残念な点
残念なことに。使用期間3ヶ月目くらいで「ジョイコンドリフト」が発生してしまった(発売初日に購入した旧型でさえ発症してないのに…)。
「マリオカート8」など、スティック感度が敏感に設定されているゲームでの影響が特に大きく、スティック操作をしなくても右に少しずつカーブしてしまう。
エアダスターなどでスティックとスイッチ本体の隙間の埃を除去すれば改善する場合もあるらしいが、自分の環境の場合改善しなかった。
「マリオカート」や「スプラトゥーン」など、シビアで敏感なスティック操作を必要とするゲームをプレイするユーザーは要注意。新型スイッチを購入しても、ジョイコンドリフト問題は避けて通れないようだ。
一応下記の交換品を購入してみたので、最悪自分で交換しようと考えているが、補償対象外となってしまうのが悩ましいところだ。
「ジョイコンドリフト問題」は、アメリカで集団起訴に発展するなど、大きな問題になっている。アメリカでは、問題が発生したジョイコンを無償で修理するなど、任天堂側も対策を講じているが、日本の場合有償対応となるのが残念
画面サイズと本体サイズが若干大型化した影響で、液晶保護フィルムや本体ケースなどの一部周辺機器が流用できないので注意。
下記のようなソフトポーチなど、伸縮性のある柔らかい素材ではなく、ハードポーチや本体カバーはほぼ利用できないので、買い替えが必要になる。買い替えの際にも、「新型スイッチ対応」と明記されたものを選ぶのが無難だろう。
本体サイズの大型化や重量の増加は残念だが、有機ELスイッチの完成度を高める上で致し方ない決断だったと思う。本体大型化の理由や有機ELスイッチについて興味のある方は、以下のインタビュー記事を参考にしてほしい。
有機ELスイッチに興味のあるユーザーはもちろん、ガジェット好きにはたまらない内容となっている。
まとめ:ニンテンドースイッチ 有機ELモデルの良い点・悪い点
メリット
- 有機EL &大画面化で進化したゲーム体験
- 大幅に改善されたバッテリー持続時間
- スタンド強化でテーブルモードが使いやすく
デメリット
- 無くならないジョイコンドリフト問題
- 微増したサイズと重量
- 通常モデルより5,000円ほど高い価格設定