みなさんは「iPhone SE2」をご存知だろうか?
価格が44800円~とお手頃な価格設定が魅力のiPhoneで、「初めてのiPhone」としての人気も高い、今売れ筋のiPhoneだ。
「iPhone SE」は新型iPhoneの中でも「廉価版」という位置付け。そのため、「iPhone 11ではできるのに、iPhone SEではできないこと」も存在する。
それを理解しないまま使い始めてしまうと、単なる「廉価版iPhone 11」という印象で終わってしまい、「高くても他のiPhoneを買えばよかった」「Androidにすればよかった」などの不満が出ることは想像に難しくない。
「iPhone SE」を購入して後悔しないためには、「iPhone SE」でできる事を理解し、自身のスマホの使い道と照らし合わせる必要があるため、「上級者向けのiPhone」といえるだろう。
しかし、ボクは声を大にして言いたい。「iPhone SEこそ至高である」と。
「廉価版 iPhone 11」のレッテルを貼られた「iPhone SE」だが、用法・用量(?)を守って正しく使用することで、替えのきかない最高の相棒たり得る実力を持っているのだと。
実際、ボクは「iPhone 11 Pro Max」から「iPhone SE」に乗り換えたが、サイズ、使用感ともに違和感なく使用できている。
むしろ、「iPhone11 Pro Max」の欠点であった「両手持ち前提のサイズ・重量による取り回しの悪さ」が改善され、使い勝手が向上。
また、愛用している「iPad Pro」との役割もかぶりにくくなり、持ち物としてのバランスも良くなった。
今回の記事では、
「他の機種との違いが分からない」「iPhone SEって安いけどぶっちゃけどうなの?」
という方はもちろん、
「iPhoneデビューを検討している方」「購入したけどうまく使いこなせない…」
という初心者の方向けに、「iPhone SE」の魅力や使い方のコツなどをお伝えしていきたい。
「iPhone SE 2020」とは?
2020年4月に発売された最新モデルのiPhone
旧世代モデルである「iPhone 8」と同じデザインを踏襲しているが、れっきとした最新モデルのiPhone。
馴染みのデザイン・サイズ感は取り回しが良く、大変気に入っている。
「iPhone 11」「iPhone 11 Pro」と同等の処理能力
上位モデルより一回り小さい筐体ながら、「iPhone 11」と同じ「A13 Bionic」という高性能CPUを搭載。
写真の加工アプリや3Dゲームを等、比較的重たいアプリを使用しても性能不足を感じることは全く無い。普段使いには性能過多と感じるほどの高性能なので、2、3年は余裕で使用できるスペックだ。
便利機能も多数搭載
「IP67相当の防水・防塵性能」「電子決済(Apple Pay)対応」など、あると便利な機能(個人的にはどちらも必須レベル)にもしっかり対応。
基本性能だけでなく、普段使いにもしっかり寄り添った仕様が嬉しい。
購入しやすい価格設定
「iPhone 11」「iPhone 11 Pro」と同等の性能ながら、価格は64GBモデルで44,800円にまで抑えられている。
必須ではない機能を削ることで上手くコストダウンされており、iPhone史上、最も購入しやすいモデルに仕上がっている。
「iPhone SE」と「iPhone 11」シリーズを比較してみる
「iPhone SE」は安価で購入しやすい分、搭載機能は「iPhone 11」より少ない。
しかし、「iPhone 11」シリーズのデメリットと言える仕様も取り払われており、副作用として幾つかのメリットも生まれている。
全画面デザインの不採用
前面を覆うような全画面デザインは残念ながら「iPhone SE」では不採用。
コストの問題はもちろん「iPhone 8」の外装を再利用する都合上、実装は難しいのだろう。
画面が狭い分、1画面に表示できる情報量が少ないので、ブラウジング等では少々窮屈に感じる。
「Face ID」は非搭載だが、コロナ禍において便利な指紋認証「Touch ID」が搭載されているのもポイント。また、「iPhone X」以降のモデルに存在するデザイン的にイマイチ?なノッチ部分が無いのは個人的に嬉しい。
- 今時のデザインが良い / 顔認証が使いたい:iPhone 11シリーズ
- デザインはそこまで気にしない / やっぱ指紋認証でしょ!:iPhone SE
カメラ
最近の機種では珍しく、カメラは「複眼」ではなく「単眼」。AIによる補正機能も搭載され、設定不要でシャッターを切るだけでキレイな写真が撮影できる。
しかし、暗闇で鮮明な写真が撮影できる「夜景モード」や、「広角」「望遠」レンズは非搭載。カメラを多用するユーザーの物足りなく感じられるかもしれない。
とはいえ、本格的な撮影をしないのであれば「iPhone SE」でも十分キレイに撮影できるし、撮影設定を最適化することである程度カバーできる。
本格的な撮影には一眼カメラを使用すればいいので、多くの人にとって十分な画質と言えるだろう。
また、デザイン的な観点からみると、カメラは1つの方がデザインがスッキリしていて好印象。
スマートフォンのデジカメ化は勢いを増す一方だが。複眼カメラはデザイン的にもイマイチ。個人的に、端末のコストダウンを図る際には真っ先に削って欲しいポイントだ。
- 別にカメラを持っている / スマホカメラはメモ程度:iPhone SE
- スマホで本格的な写真・動画撮影がしたい:iPhone 11 Pro / 11 Pro Max
稼働時間(バッテリー性能)
バッテリー容量は「1821mAh」と、最近のスマホにしてはかなり少なめ。
参考までに記載しておくと、iPhone 11が「3110mAh」、iPhone 11 Proが「3190mAh」、iPhone 11 Pro Maxが「3500mAh」となっている。
iPhoneはスマートフォンの中での電力効率が良く、バッテリーの減りは比較的おだやかだが、「iPhone SE」の電池の減りはかなり早い。
厳密に比較したわけではないが、平日帰宅時のバッテリー残量を比較してみると、「iPhone 11 Pro Max」が「78%」、「iPhone SE」が「19%」だった。
「iPhone 11 Pro Max」はスマートフォンの中でもトップレベルの稼働時間を誇る端末なので差が出るのは当然だが、それにしても心許ない。
1日フルで使い続けるのであれば、本体設定を工夫して無駄な消費を抑える、モバイルバッテリーを携行するなど、何かしらのバッテリー対策を講じる必要がありそうだ。
ボクは「Anker PowerCore 10000」というモバイルバッテリーを携行するようにしている。
「iPhone SE」を数回フル充電できる大容量と、カバンに入れても気にならない小型・軽量さのバランスが良く愛用している(しかも安い)。
バッテリー容量は「iPhone SE」本体の重量にも大きく影響するため、容量の少なさは一長一短といったところ。個人的には、モバイルバッテリーで延命できるので、そこまで気にしていない。
- バッテリー容量を気にせず1日中使いたい:iPhone 11 Pro Max
- こまめに充電できるので問題ない:iPhone SE
高精細な有機ELディスプレイ(Proシリーズのみ)
「iPhone SE」は画面サイズ「4.7インチ」(1334×750 / 326ppi)の液晶ディスプレイを搭載。鮮やかで見やすい高品質なディスプレイとなっており、映像やコンテンツを快適に表示できる。
とはいえ、フルHD(1920×1080)以上の格安スマホも一般的になっており現在において、「iPhone SE」の画面解像度はかなり低い。
特に「iPhone 11 Pro」の有機ELディスプレイと比べると、表示品質は発色の良さや明るさ等、全てにおいて数段劣る印象を受けた。
最近の同価格帯のAndroid端末も品質はかなり向上しており、有機ELを搭載した端末も珍しくないことを考えると、もう少し頑張って欲しいと思うのが正直なところだ。
とはいえ、「TVアプリ」や「Netflix」の高画質動画を最大限楽しみたい!というユーザーでも無い限り、「iPhone SE」の画質でも十分事足りる。
荒さもあまり感じないので、そこまで神経質になる必要はないだろう。
- ドラマも映画もじっくり楽しみたい:iPhone 11 Pro / 11 Pro Max
- 本格的な動画視聴は自宅のテレビ/PCで楽しむ:iPhone 11 / SE
本体サイズ・重量
本体サイズは一回りから二回り程小さく、片手に収まる。
「iPhone 11」を片手持ちで使用する場合、画面上部まで親指が届かないのがストレス。「iPhone SE」の場合、画面端まで親指が余裕で届く。通勤時など、片手が開けられない場面で圧倒的に使いやすい。
重量は「iPhone 8」同様「148g」と最近のスマホの中ではかなり軽量。長時間持っていても全く疲れない。
ちなみに、iPhone史上最重量である「iPhone 11 Pro Max」は「226g」。手に取った瞬間ズッシリくる重さなので、片手持ちで長時間支えるのは少々厳しい。
- 片手持ちで快適に使用したい:iPhone SE
- 両手持ちでじっくりコンテンツを楽しみたい:iPhone 11
【まとめ】「iPhone SE」を選ぶメリット
- 余計な機能が搭載されておらずミニマル
- 小型・軽量で片手持ち可能。取り回しやすい
- 基本性能は11シリーズ共通で高性能。
- 価格が「iPhone 11 Pro」の半額でコスパ◎
余計な機能が搭載されておらずミニマル
ミニマルなデザインは個人的には一番の魅力。最近のiPhoneは少しゴテゴテしていてあまり好みではないのだけれど、少し古臭くて馴染みのあるこのデザインが、1つの完成形であると思う。
小型・軽量で片手持ち可能。取り回しやすい
最新のiPhone 11シリーズより30グラム以上軽く、手のひらにフィットするサイズ感は片手持ちに最適。通勤電車のお供など、日常生活で無理なく使いやすいサイズ感だ。
基本性能は11シリーズ共通で高性能。
iPhone 11同様高性能プロセッサ「A13 Bionic」を搭載。余裕のあるスペックで、3Dゲームもサクサク動作。2、3年は安心して使用できるスペックと言えるだろう。
価格が「iPhone 11 Pro」の半額でコスパ◉
「44,800円」から購入できる手軽さもiPhone SEの魅力。
廉価モデルだが、Appleの強力なQoL爆上げ周辺機器である「Airpods」「Apple watch Series 3」が利用できるので、Appleのエコシステムを安く揃えたい人にもピッタリの機種と言える。
ちなみに、これらの周辺機器を合わせても「iPhone 11 Pro」とほぼ同じ「10万円」程度に収まるので、非常に魅力的な選択肢。
「iPhone SE」「iPhone 11」には、価格はもちろん、搭載機能にも大きな差があることが分かった。
「iPhone SE」が劣っている点は「画面サイズ」「バッテリー容量」「カメラ性能」の3点。
「これらのデメリットをどこまで許容できるか」という点が、「iPhone SE」の評価を分けるポイントとなる。
「動画コンテンツもそこまで観ない」「モバイルバッテリーは携行してるので問題なし」「カメラはメモ程度で十分」など、自分にとって必要な機能の割り切りができるのなら、「iPhone SE」は「全くムダのない最高の端末」となるはずだ。