$69で買える最強のポケット電子書籍リーダー「Xteink X4」徹底解説①ファーストインプレッション

はじめに

この記事では「Xteink X4」のファーストインプレッションを中心に日本語で紹介する。

「Xteink X4」は素晴らしいデバイスだが、日本語で紹介している記事や動画がほとんどない。正直、僕も使い始めたばかりで、まだまだわからないことだらけ。それでも、問題を解決するために、海外のフォーラムやSNSを追うなどして情報を集めてきた。

購入を検討している人にとって、日本語で情報を得ることができないのは良くないと思い、実用的かつ的確な情報が得られる記事の作成を目標に執筆した。

今回の記事では、主にファーストインプレッションを中心に紹介しているが、おいおい細かな設定方法やQ&Aを作成する予定。


日本で電子書籍リーダーといえば「Kindle Paperwhite」や「楽天 Kobo」が定番。海外でもその傾向は同じだが、最近では手書き文字入力に特化した「reMarkable」や、AndroidOSを搭載する「Boox Onyx」シリーズなども人気がある。

今回購入した「Xteink X4」は、それらの「高性能E-Ink搭載端末」や「Kindle」「Kobo」といったメジャーな製品とも全く異なる、最低限の機能と小型のボディが特徴のデバイスである。

ソフトウェア的な粗は多少気になるものの、ハードウェアとしての完成度は非常に高く、適切な設定とカスタマイズにより、長年愛用していた「Kindle Paperwhite」を上回る読書体験を実現できるデバイスとなってくれた。

Xteink X4とは

「Xteink X4」は、画面サイズ「4.3インチ」の「E-Ink」ディスプレイを搭載した超小型の電子書籍リーダーだ。内部には「ESP32」というマイコンを搭載。「Android」のような汎用OSを搭載しておらず、Xteink社の独自OSである「XTOS」が搭載されている。

そのため、Androidのように、アプリをインストールして機能拡張するというような使い方はできない。あくまで、電子書籍に特化したデバイスで、専用のフォーマットで変換したテキストファイルを読むことに特化したデバイスである。

大雑把な説明が済んだところで、まずは基本スペックについておさらいする。

「Xteink X4」 スペック

項目仕様
ディスプレイ
画面サイズ4.3インチ
ディスプレイタイプE-Ink(電子ペーパー)
解像度480×800ピクセル(220 PPI)
バックライトなし
本体
サイズ(縦×横×厚さ)114 × 69 × 5.9 mm
重量74グラム
カラーオプションスペースブラック、フロストホワイト
性能・機能
CPUESP32
RAM128 MB
OS専用OS(XTOS:Xteink独自OS)
対応ファイル形式ドキュメント:EPUB、TXT / 画像:JPG、BMP / フォント:BIN
縦書き表示対応(要設定変更)
フォントカスタマイズ対応(要外部ツール)
物理キー電源ボタン、ページ送りボタン(カスタマイズ可能)
タッチスクリーンなし
ストレージ
拡張スロットマイクロSDカード(32GB付属、最大512GBまで拡張可能)
バッテリー
バッテリー容量650 mAh
連続駆動時間約1週間(通勤・休憩利用時)/ 1日1~3時間の使用で最大14日間
接続
Wi-Fi対応(2.4 GHz、※iPhoneテザリング推奨)
Bluetooth対応
USBUSB Type-C
価格
公式サイト価格$69(約10,000円前後)
AliExpress価格約7,000円前後
購入方法
公式サイトhttps://www.xteink.com/
AliExpress複数出品者あり
サポート
公式サポートあり(24時間以内に返信、営業日)
コミュニティRedditに専用コミュニティあり
保証1年保証(地域の法律に準拠)
言語対応
対応言語英語、中国語、日本語(初期設定は中国語。有志によるCFWあり)

他にないサイズ感とデザイン

「Xteink X4」の最大の魅力は、その圧倒的なコンパクトさである。4.3インチという小さな画面とスクエアデザインの組み合わせは、「iPhone 4」を彷彿とさせる。

デザインも洗練されている。ホワイトモデルは特にかわいらしい印象を受ける。純白というより、HHKBのようなグレー寄りのホワイト。デザインもミニマルで、洗練された現代的なデバイスといった印象だ。

本体重量は約74グラム。文庫本より軽く、iPhoneより薄く小さいボディは、シャツの胸ポケットに入れたまま忘れてしまいそうなほど。

手に取ると、中身がぎゅっと詰まっている物としての質感の高さを感じつつも、見た目の印象以上に軽い印象を受ける。

一般的に、電子書籍リーダーは文庫本サイズであることが多い。文庫本サイズでも十分コンパクトだが、携行性という視点でみると、大きな進化は感じられない。

「Xteink X4」は文庫本より遥かに小型なので、出先などに持ち出すハードルが低い。画面サイズが小さい分ページ送りの頻度は多いが、文字サイズは変わらないので、十分快適に読書を楽しむことができる。

バッテリーとパフォーマンス

「Xteink X4」のバッテリー持続時間は「約1週間(通勤・休憩利用時)/ 1日1~3時間の使用で最大14日間」とされている。バッテリーの減りが体感できないので、充電のタイミングに困るほど。

これは、「ESP32」という低消費電力のマイコンを採用しているのが理由。AndroidOSのような高機能なOSを搭載すると、待機しているだけでもどんどんバッテリーが減っていくが、「ESP32」ではその心配はない。

画面がE-Inkディスプレイであることも低消費電力を実現するための大きな要因の一つ。E-Inkは、画面を表示し続けても電力を消費しないという特性があるため、低消費電力に一役買っている。

パフォーマンスについては、少し気になる点もある。特に気になるのが、ページ送りのもたつき。画面サイズが小さい分、ページ送りの頻度も多いので、特に目につくポイントだ。

ただ、この問題は最新OS「XTOS v3.0.5」でかなり改善している。Xteink社もこの製品にはかなり力を入れているようで、Reddit上に挙がった問題点の多くは既に修正されている。今後もソフトウェアの最適化や機能追加が楽しみである。

実際の使い心地について

メリット

「Xteink X4」の最大の長所は、その軽量さとコンパクトさである。74グラムという重量は、長時間持っていても疲れないため、明確に紙の本に勝る点である。

物理ボタンによる操作性も優れている。タッチスクリーンではなく、電源ボタンとページ送りボタンという物理キーで操作するため、誤操作が少なく、集中して読書に没頭できる。特に、ページ送りボタンは押し心地が良く、反応も速いため、ストレスなくページをめくることができる。物理ボタンはカスタマイズも可能で、自分好みのキー配置に調整できる点も便利だ。

また、内蔵ストレージではなくmicroSDカードが使用できるのも利点。容量を拡張できるため、好きなだけ本を保存できる。数百冊の本を74グラムのデバイスに入れて持ち歩けるというのは、物理的な本では不可能な体験である。

機能が少ないのは一見デメリットのように感じられるが、スペック競争に巻き込まれにくく、製品が陳腐化しにくいのもメリットと言える。

近年電子書籍リーダーもどんどん高性能化・大型化しているが、本を読むという目的にはオーバースペック気味。できることが少ない分、ターゲットが明確で、他製品とうまく差別化できているというのは、この製品の優れた点の一つだ。

機能改善などのスピード感の速さも魅力の一つ。OSSではないものの、比較的オープンな思想で開発・設計されており、Redditのコミュニティに積極的に参加するなど、改善活動や意見交換に力を入れているようだ。

YouTubeでも有名な「jvscholz」氏が愛用しているということで、一部界隈でかなり注目されていることも関係ありそうだ。当人かなり気に入っているらしく、Reddit上でも積極的に活動されている。


デメリット

はじめに述べておくが、多くの場合、長所と短所はトレードオフであり、ここで紹介する短所の多くは、この製品に必要な犠牲であると考えてほしい。全部入りのデバイスを求めるユーザーには全く適さないので、その点は留意していただきたい。

バックライトが非搭載なので、暗い場所では読むことができない。これはE-Inkディスプレイの特性上仕方がない部分ではあるが、読書環境によっては不便に感じる場合がある。

また、画像や挿絵の表示が苦手である。本の挿絵を楽しみたい人や、マンガを読みたい人には不向き。あくまで、活字やテキストベースの読み物に特化したデバイスとなっている。

先に述べた通り、XTOSという独自OSを搭載しているため拡張性は皆無。AndroidOS搭載モデルのように、アプリの追加で機能を強化するという芸当はできない。

この点はKindleでも同じだが、Kindleは専用のストアが用意されているため、読みたい本を購入すれば、そのまま読むことができる。

「Xteink X4」はストアが用意されていないため、読みたい本は自分で用意する必要がある。Kindleで電子書籍を購入すると、ファイル形式はKFX形式となるが、「Xteink X4」はこのファイル形式に対応していない。Calibre等のアプリを使って、「Xteink X4」が対応しているファイル形式(EPUBやTXT形式)に変換する必要がある。

読めるファイルを用意できたとしても、それが上手く表示されるとは限らない。「Xteink X4」はルビの表示に対応していないため、ルビが設定されたファイルをそのまま読み込むと、「<rb>」のように表示されてしまう。これを消してあげる必要がある。

日本語フォントも標準で用意されているが、中国語が混じっており、読みにくい。別途自分でBIN形式のフォントファイルを用意し、「Xteink X4」用に変換してあげる必要がある。

このように、魅力の多い製品である反面、色々な制約や問題も抱えており、利用者側のスキルが問われる製品となっている。ただし、ファイルの準備(KFX形式からの変換やルビの削除)や日本語表示の最適化(フォントのカスタマイズ)など、一部の短所はユーザー側の工夫で解決できる問題なので、時間を惜しまず工夫を凝らせば、快適な電子書籍ライフが待っている。

カスタマイズ性と活発なコミュニティ

「Xteink X4」の魅力の一つに、開発者やユーザーのコミュニティの活動が非常に活発であることが挙げられる。Redditには専用のコミュニティがあり、新機能の提案や改善案、使用のコツなどが頻繁にやり取りされている。この熱量あるコミュニティが、デバイスをどんどん良くしていく原動力となっている。

専用のツールキットも提供されており、フォントの変換や、縦書き表示の設定など、日本語環境に最適化するためのツールが充実している。これらのツールを活用することで、日本語のテキストも美しく表示できるようになる。

購入・使用時の注意点

「Xteink X4」を購入する際には、いくつかの注意点がある。まず、日本語に最適化されたデバイスではないため、購入時の言語設定は中国語になっている。そのため、初期設定を行う際には、ある程度の知識や根気が必要になる。

また、そのまま使うことはできない。日本語環境で快適に使うためには、専用ツールを使った設定が必要である。これらの設定は、別記事で詳しく紹介する予定だが、技術的な知識が少し必要な作業となることを理解しておいてほしい。

Wi-Fi接続に関しては、不安定になる場合がある。僕の経験では、iPhoneのテザリングを使ってWi-Fi接続すると、より安定して使いやすくなった。このあたりの詳細も、別記事で紹介していく。

AliExpressでの購入となるため、到着までに時間がかかる場合がある。また、サポートは基本的にコミュニティベースとなるため、問題が発生した際は、コミュニティで質問することになる。

まとめ

「Xteink X4」は、$69(約10,000円前後、AliExpressでは約7,000円前後)という価格で購入できる、他に類を見ない超小型電子書籍リーダー。74グラムという軽さと、4.3インチというコンパクトなサイズは、持ち運びを重視する読者にとって非常に魅力的だ。特に、アウトドアや公共交通機関での移動中に、荷物にならずに本が読めるという点が大きなメリットとなる。

一方で、バックライトがなく、画像表示が苦手、Kindleの本をそのまま読めないといった制約もある。また、日本語環境への最適化には、ある程度の技術的な知識が必要になる。

しかし、これらの制約を理解した上で、カスタマイズ性の高さや、活発なコミュニティのサポートを受けながら使う楽しさを考えると、マニアックなガジェット好きや、軽量を重視する読者にとっては非常に価値のあるデバイスである。

僕自身、このデバイスを手に入れてから、読書の楽しみ方が変わりつつある。変換作業も含めて、本を自分好みにカスタマイズする過程を楽しみながら、軽量なデバイスでどこでも読書を楽しめるようになった。もし、あなたも新しい読書体験を求めているなら、Xteink X4は検討の価値があるデバイスであると言えるだろう。

今後の記事予定

本記事では、デバイスの基本的なレビューに焦点を当てたが、今後、以下のような内容を別記事で紹介していきたいと考えている。

  • OSアップデートの方法
  • ファイル形式をEPUB形式に変換する方法
  • 日本語の縦書きを設定する方法
  • EPUBの書式を最適化するプラグインの紹介
  • 読んでいる本を表紙にする方法