- 「お手軽に俯瞰撮影したいけど、場所を取る三脚は置きたくない…」
- 「自室のデスク環境をもっとスッキリさせたい!」
そんな悩みを抱えているのは、僕だけではないはずだ。特にデジタル一眼レフを使った物撮りでは、安定した固定器具が不可欠だが、耐荷重やコスパ、そして良デザインを兼ね備えた製品は意外と少ない。
そんな中、僕が出会ったのがこの「Ulanzi ZJ02 カメラアーム」だ。


結論から言うと、セール時に6,000円以下で買えるとは思えないほどのクオリティで、僕のデスク環境と撮影スタイルを劇的に改善してくれた。今回は、このUlanziのカメラアームがなぜ「安すぎる」と感じるほど魅力的なのか、その理由を徹底的にレビューしていきたい。
シンプルながら質感の高いデザイン
まず特筆すべきは、そのデザインである。
カラーは精悍なブラックのみ。アルミ合金素材の艶消し塗装は質感が非常に高く、安っぽさを感じさせない。マットな表面は傷に強く、指紋や汚れも付きにくい。アーム自体は細身だが、触れてみるとその堅牢さが伝わってくるしっかりとした作りだ。関節部分の処理もスマートで、デスク上に設置しても悪目立ちしない。


クランプ部分は、デスクに固定するための一般的な形状のもので、特に可もなく不可もなしといったところ。ロゴも控えめに入っているだけで、全体的にシンプルで洗練された印象を受ける。これなら、どんなデスク環境にも自然に溶け込んでくれるだろう。テーブルクランプにはゴムパッドが付いており、デスクを傷つけることなく安定性を高めている点も嬉しい配慮だ(クランプは4.8cmまでの天板に対応)。

僕の主な用途と撮影環境
僕がこのカメラアームを導入した主な目的は、デスク上での物撮りと、手元の作業風景を俯瞰撮影することだ。細かなPC周辺機器のレビューや、趣味の作業工程などを記録するのに重宝している。

アームはデスクの右側に固定し、普段使っているマウスパッドの上を撮影エリアとしている。使用するカメラは「SIGMA fp」。デジタル一眼レフカメラの中では比較的軽量なモデルで、レンズを合わせても「890g」。このカメラアームの最大耐荷重は2kgなので、スペック的には余裕がある。最初は少し不安もあったが、たわむことなくしっかりホールドできている。
開封からセッティング、そして活用の工夫
開封して気づいたこと、必要なもの
箱から取り出すと、アーム本体とデスク固定用のCクランプが主な付属品だ。セッティング自体は非常に簡単だが、いくつか気づいた点と、より快適に使うための工夫を紹介したい。
まず、カメラの取り付けネジは標準的な1/4インチネジだ。これは固定式のため、撮影のたびにカメラを取り付けたり外したりするのが少々面倒に感じた。
そこで僕が導入したのが、クイックリリースプレート「NEEWER GM34」だ。これを追加するだけで、カメラの着脱が一瞬で完了するようになり、利便性が格段に向上した。これはもはや必須アイテムと言っても過言ではない。


1/4インチネジに対応したクイックリリースプレートならほとんど使用できると思われるが、参考までに今回自分が使用した製品のリンクを貼っておく。
次に、光量問題だ。デスク上で撮影する場合、部屋の照明だけではどうしても光量が不足しがちになる。
この対策として、僕は別途クリップ式のLEDライトを用意し、アーム部分に取り付けて補助光としている。さらに、PCモニターに真っ白な画面を表示させることで、簡易的なレフ板のような効果も狙っている。これで、かなり明るくクリアな映像が撮影できるようになった。
ちなみに、スマートフォンで使用したい場合は、別途スマートフォン用のクランプが必要になるので注意が必要だ。このアームは1/4インチネジに対応しているので、多くのスマートフォン用クランプやその他のアクセサリー(ライト、Webカメラ、ビデオカメラ、マイクなど)も取り付け可能だ。
簡単!組み立てと設置方法
セッティングは非常に直感的だ。
- まず、Cクランプをデスクの天板にしっかりと固定する。
- 次に、アーム本体の下部をクランプの上部に差し込む。
- さらにもう一本のアーム部分を、連結する形で差し込む。
- 最後に、付属のボール雲台にカメラを取り付ける。
安全に使うための注意点
使ってみて感じた注意点もいくつかある。
まず、関節部分の多さだ。ボール雲台部分、アームの根元、そしてアーム同士の結合部分と、合計3箇所の主要な関節がある。これらの締め忘れは、カメラ落下の原因となるため、使用前には必ず確認するようにしている。




同様に、アームの伸縮を固定するノブの締め忘れにも注意が必要だ。ここが緩んでいると、カメラの重みでアームが意図せず下がってしまうことがある。
そして最も重要なのが、耐荷重(垂直撮影時最大2kg)の確認だ。いくら頑丈そうに見えても、制限を超える重さの機材を載せてしまっては、アームが破損し、カメラやレンズが落下する危険性がある。そうなれば大惨事にも繋がりかねない。この点は常に意識して運用している。
驚きの操作性と高い機能性
実際に撮影で使ってみると、その操作性の良さに驚かされる。
関節部分の動きは非常にスムーズで、ダンピンググリスを含んだ雲台の特殊な構造により、力を入れなくても軽やかにカメラを移動させることができる。細かな位置調整や角度調整も思いのままだ。アームは46cmから109cmの範囲で4段階に伸縮し、ポールも上下180°に調整可能なので、可動域は非常に広い。接写から広角のビデオ撮影まで、スペースを有効活用しながら幅広い撮影に対応できる。ボール雲台は360度回転可能で、前後180°、左右360°の自由な角度調整ができる。


アームを最大まで伸ばした状態でも、手元の被写体をしっかりと捉えることができ、レンズの最低撮影距離にも余裕があるほどだ。
マクロ撮影対応の中望遠レンズと標準ズームレンズで撮影してみる。手元のアップからかなり広い範囲まで写すことが可能だった。ただし、あまり広角にしすぎるとアームの一部が画角に入り込んでしまうことがあるので、その点は注意が必要だ。



アームの調整を行う際は、先にカメラを取り外しておくと、アーム本体の取り回しが楽になり、よりスムーズかつ安全に調整できる。ここでも、前述のクイックリリースプレートの存在が非常に役立ってくれる。

そして肝心の保持力だが、これはかなり高いと言える。僕のSIGMA fp(レンズ込みで約890g程度)を載せても、アームが大きくしなったり、勝手に下がってきたりするようなことはない。メーカー公称の耐荷重2kgには、まだまだ余裕がありそうな印象だ。もちろん、カメラの重さでアームが本当にわずかにたわむことはあるが、これは構造上やむを得ないものであり、実用上全く問題ない許容範囲だと感じている。頑丈なチューブとアルミ合金素材のおかげで、長期間使用しても劣化しにくく、安定性に優れている点も魅力だ。
僕が感じた「Ulanzi ZJ02 カメラアーム」の魅力:機能・使い勝手まとめ
実際に使ってみて感じたこのカメラアームの魅力をまとめると、以下のようになる。
- 安定したホールド感: 最大耐荷重2kg。がたつきも最小限で、そこそこの重量があるカメラもしっかりとホールドしてくれる安心感がある。アルミ合金素材による頑丈な作りもポイント。
- 自由自在な調整: 4段階伸縮式アーム(46-109cm)、上下180°調整可能なポール、360°回転可能なボール雲台(前後180°、左右360°調整可能)により、角度や高さの微調整が容易で、操作性も非常に良い。思い通りの構図で撮影できる。
- 省スペース設計: デスクとの設置面積はクランプ部分のみと最小限。場所を取らず、デスク上を有効活用できる。
- 圧倒的なコストパフォーマンス: これだけの品質と機能を備えながら、6,000円以下という価格は驚異的だ。
- クイックリリースプレートで劇的に使いやすく: 標準では1/4インチネジ式のためカメラの脱着がやや面倒だが、クイックリリースプレートを導入することで、その使い勝手は飛躍的に向上する。これはぜひセットで導入を検討してほしい。
- 幅広い互換性: 1/4インチネジ対応なので、カメラだけでなく、デジタル一眼レフ、スマートフォン/iPad用クランプ(別途必要)、ライト、Webカメラ、ビデオカメラ、マイクなど、様々なデバイスを取り付け可能。
- 質感の高い素材と仕上げ: 航空用アルミ合金素材を使用し、マットな表面処理は傷に強く、指紋も付きにくい。
あえて改善点を挙げるとすれば、やはりカメラ取り付け部分の利便性だろうか。しかし、これはクイックリリースプレートで解決できるため、大きな問題ではないと考えている。
【総評】これは「買い」。俯瞰撮影の入門にも最適解にもなり得る逸品
これまでの内容を総括すると、「Ulanzi ZJ02 カメラアーム」は、お手軽に質の高い俯瞰撮影環境を構築したいと考える全ての人に、自信を持っておすすめできる製品である。

特に、自室のデスク環境で物撮りや手元作業の撮影をしたいけれど、大掛かりな機材は導入したくない、というニーズには完璧に応えてくれるだろう。デジタル一眼レフユーザーはもちろん、工夫次第ではスマートフォンでの撮影にも活用できる。
耐荷重2kgの範囲内であれば、その保持力と操作性の高さは価格以上の価値を提供してくれるはずだ。何より、このコスパの高さと、デスクに馴染む良デザイン、そしてアルミ合金によるしっかりとした作りは特筆に値する。
もしあなたが、手軽でありながら本格的な俯瞰撮影環境を求めているなら、この「Ulanzi ZJ02 カメラアーム」は、まさに「安すぎる」と感じるほどの満足感を与えてくれるに違いない。